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「望みしは何ぞ」他
永井路子歴史小説全集六巻です。
大分読みだめしたので・・・。
今度は、長編1作、短編4作ありました。

まずは「望みしは何ぞ」です。
前作「この世をば」の続編で、今度は藤原道長の息子、能信(よしのぶ)が主人公です。
道長の息子といっても、母親は中宮彰子を生んだ倫子ではありません。
かつての藤原氏のライバル、醍醐天皇の子、源高明の娘、明子が母親です。

実は、この明子系の子ども達は、倫子系の子ども達に比べて、不遇です。
その当時、倫子は「鷹司どの」、明子は「高松どの」と、呼ばれていました。
鷹司系の子どもは、男の子ならドンドン出世して、女の子なら天皇のお后に選ばれたりしますが、高松系の子どもは、どちらかといえば、男の子は出世も鷹司系と比べると遅く、女の子もお后にもなれないでいたりします。

能信は、高松系の男の子の中の3番目。
ですが、一番目端の効く人と道長から思われていたようです。
三条天皇の中宮、妍子(道長の娘・鷹司系)の中宮権亮(ちゅうぐうのごんのすけ)になっていました。
この役職は、中宮宮では准次官ですが、中宮の身辺にかしずき、微細な用事までこなしていました。
三条帝には、妍子が入内する前に、すでに別系の藤原氏の妃が入内していました。その妃には、4男2女も子どもがいました。
が!摂関政治の哀しさ。道長は三条帝に自分の血を受けた孫帝をつくらないといけなかったのです。
妍子が懐妊したのですが、生まれたのは内親王でした。
ここで、次の東宮(皇太子)は、別系の妃腹の皇子を立てざるを得なくなってきます。
実は次の天皇は、道長の娘、鷹司系の彰子が生んだ 後一条天皇に決まっています。

そして・・・三条と、道長の息が詰まりそうな攻防の元、ついに東宮が選ばれるのです。
それは、別腹の敦明親王でした。
ここら辺は、次に書こうとしている「噂の皇子」にもくわしく描いてあります。
ですが、三条帝が亡くなった後、敦明親王は、東宮の座を降りてしまうのです。
このとき活躍したのが、主人公 能信でした。
たまたま敦明親王と親しくしていたからですが。
そして、道長は酷い遠回りをしたのち、彰子が生んだ後朱雀天皇を東宮することができたのです。

三条帝が後一条帝に譲位したのち、後一条帝に后が選ばれます。
鷹司系の威子(後一条帝の叔母)です。年が9つも上の后です。
が、ふたりの間には、内親王だけしか生まれませんでした。
能信は、この威子の中宮権大夫(中宮宮の長官)になるのです。

後一条帝の後は、後朱雀帝です。
この天皇が立つ前に、藤原道長は世を去っています。
ここには、またもや鷹司系の 嬉子(後朱雀の叔母)が后に選ばれます。
皇子(のちの後冷泉帝)は生むのですが、すぐに亡くなってしまうのです。
後釜の后に、能信がひそかに目をつけていたのが、妍子が生んだ三条帝の内親王、禎子です。
まだまだ、後一条帝の皇子を望む世間に、東宮の后の後釜など、どうでもよいと思わせ、うまいこと禎子を入内させてしまった能信。
そして・・・内親王を2人生んでから、皇子(のちの後三条帝)をようやく産むのです。

後一条帝は、結局、後継ぎとなる皇子に恵まれませんでした。
そして、崩御してしまうのです。

次は、後朱雀帝です。
この人には、いろいろ女御が入内してきます。
が、皇子を産んだのは、道長の娘・嬉子と、三条帝の内親王・禎子皇后だけでした。
嬉子の生んだ皇子は、後冷泉帝になります。
後朱雀帝が重病で明日をも知れぬ命になった時、能信は、禎子皇后の生んだ皇子を次の東宮に押しやるのです。
この天皇が後三条帝です。

そして、後三条帝の後は、その皇子・白河天皇が継ぐのです。白河天皇は、能信の養女が母です。
ついに、摂関家出身ではない娘が、国母となってしまいます。
そして、白河天皇から、院政がはじまり、摂関政治は廃れていくのです。

後三条天皇が、帝位を譲られた時、能信は、そのそばにいることはできなかったのです。
なぜかといえば、その前に亡くなっていたからです。
後三条天皇は、鷹司系の頼通・教通の政治に制肘を加えました。
後の歴史は、これを、後三条の母、禎子が藤原氏出身でなく、皇族出身だったからと解釈していますが、そうではないと作者は言います。
鷹司系と、高松系の戦いだったのです。

なにも、能信は、このような事態を望んではいなかったのです。
鷹司系への報復と、摂関家の掌握。だったかもしれない、と描かれています。

私は、こういう、歴史の不可解さ・意外さが、たまらなく好きなのです。
ともあれ、「王朝序曲」「この世をば」「望しは何ぞ」これで、王朝3部作は完結するのです。


「噂の皇子」
三条帝の長男、敦明親王が主人公です。
この本では、三条帝側からみた意地悪公卿・藤原道長のねちねちした意地悪や、それに負けまいとする三条帝&敦明親王の攻防戦です。
読後のすっきり感も、よかったです。

yoshiさんのブログでも紹介されています。
ねぶかどねざる|噂の皇子

「桜子日記」
和泉式部につかえる桜子の日記です。

「王朝無頼」
美濃から労役に引っ張り出された鈴鹿丸が見た都とは・・・。
大江匡衡和泉式部の元夫藤原保昌の弟や、赤染衛門の夫がチョッピリ出てきます。

「六条の夜霧」
幼い少年の恋心と企みを上手く生かして、いいところのボンボンから、物を脅し取った泥棒さんのお話です。
本の事 | comments(3) | trackbacks(0)
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コメント
うわぁ、紹介していただいてありがとうございます!
「望みしは何ぞ」って、こういう小説だったんだ。。。
読んだ時分にあまりに幼すぎて、殆ど意味が取れていなかったような気がします。
是非是非もう一度読んでみなくては。

それにしても、かんがさん、
スゴイ勢いで本読まれてますね。
僕は、新学期が始まり
面白みのかけらもない法律の本を読まされる毎日。。。
更新頻度が落ちそうです(泣)
| yoshi | 2006/10/08 11:18 PM |
おはようございます。
すごい勢いで読んでますね。
でも好きな本てそうですよね。
私も先日届いた本、1冊読み終えました。
一気に読んでしまいましたがかんがさんの気持ちよくわかります。
王朝3部作ようやく完結。
私も自分で読んだような気分になって納得してしまいました。(笑)
| KOTA | 2006/10/09 8:50 AM |
>yoshiさん
「この世をば」が物凄く長かったので(しかもレビュー書くために2回も読み直したし)、次の「望みしは何ぞ」がやけに短く感じてしまいました。(^^;ゞ
「この世をば」のレビュー書いてたときには、すでに「望みしは何ぞ」を読み終えていました。( ̄□ ̄;)!!

学生さんは、まずは本題の勉強が大切ですものね。
卒業したら、死ぬほど読めるんじゃ・・・(仕事が忙しくなかったら)ないかと・・・思いますが・・・。(苦)
yoshiさんこそ、読むの物凄くはやいですよ。少し前は毎日レビュー書いてたんですから。

>KOTAさん
そう、好きな本は読むのが早いんです〜。
届いた本って、森村誠一の本ですか?むねすえ刑事の。
>私も自分で読んだような気分になって納得してしまいました。(笑)
あ!だめですよ〜!!ちゃんと読んでくれなきゃ(笑)

次は、平清盛の妻、時子の話です。
ここらへんは、あまり得意ではない時代です。
女院のあたりは、チョット興味深いですが、この本ではサラッと流してありますので。
| かんが | 2006/10/09 10:57 AM |
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